LITTLE MY STAR    「魔界天使ジブリールEPISODE2」 ジブリールアリエスことひかりちゃんを愛でるサイト

 
 数年後・・・・。

 ある画廊で催しが開かれていた。入口近くに立った男性が来場者を笑顔で出迎えている。ときおり、求められてサインをしている光景も見受けられた。彼は最近売り出し中の若手画家であり、この催しは初めての個展だった。まだそれほど知名度は高くないが、一部に熱心なファンを持つ有望株だ。
 画家などという職業は、望んだ誰もが成功するわけではない。彼が本気で画家を目指すと言い出したときも、周囲はそれを心配したが、彼は笑いながら「天使に勇気をもらったから」と言って画家への道を選んだ。
 個展が成功に終り、誰もいなくなった会場で、彼は一枚の絵の前でたたずんでいた。やや色あせた鉛筆書きの淡いスケッチは、他の色鮮やかな絵画のなかにあって、かえって新鮮な輝きを放っていた。
 ひとりの少女が微笑んでいる。
 彼は、ほっとしたように表情を和らげ、なにごとか呟いたが、その言葉ははっきりとした音にはならなかった。
『記憶の中の少女』と題された絵を、彼はいつまでも見つめていた。






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